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ウイーク・タイズ理論「弱いきずながキャリアの成功を導く」

前回のアビリティスタッフ・キャリア理論のコーナーでは、良いキャリアを切り開くためには、こだわりばかりでなく、「良い偶然」を受け入れていくことが大切という、クランボルツの計画的偶発性理論「プランド・ハプンスタンス・セオリー」をご紹介させていただきました。

さて、今回はさらにそこに踏み込んで、ご自身のキャリアの可能性を新しく広げてくれる「良い偶然」に出会うための秘訣となる概念をご紹介させていただきます。

ウイーク・タイズ

ウイーク・タイズとは「弱いきずな」という意味の言葉で、アメリカの社会学者マーク・グラノヴェッターが1973年に発表した概念です。ウイーク・タイズの反対の言葉はストロング・タイズ、つまり「強いきずな」であり、これは家族や親戚、親友などといったその人にとって非常に強い結びつきのある人間関係を指します。ストロング・タイズは、同じ会社で毎日働いている身近な上司や同僚も含まれます。

マーク・グラノヴェッターは、このストロング・タイズの人間関係の中でばかり仕事や生活をしていると、限られた情報の中で暮らすこととなり、新しい世界や情報に接するチャンスを失うことになると指摘しました。

これに対し、ウイーク・タイズとは自分の知らない業界や深い人間関係がない人たちとの繋がりになります。この場合、自分にとって新鮮な新しい情報が得られる可能性が高くなるとグラノベッターは主張しました。

そしてグラノヴェッターの研究によると、ストロング・タイズに頼って情報収集をした人より、ウイーク・タイズと通して情報を集めた人のほうが、満足感の高い就職先を見つけることが出来た、というのです。これが、ウイーク・タイズの考え方です。

先述したクランボルツのハプンスタンス・セオリーの「良い偶然」を導くためには、この「弱いきずな」を日ごろから広げていくことが重要、ということになるのでしょう。

ただ誤解のないようにいただきたいのは、例えば異業種交流会などで、ひたすら名刺を配り続けたり、FacebookなどのSNSでひたすら形だけの繋がりを広げたりすることがウイーク・タイズではないということです。ウイーク・タイズのタイズとは絆であり、ただ名前を知っている、そんな関係を指し示すものではありません。

あくまで、親しく、近しくはないけれどもあるそこにある、ということですから、ある意味、身近な人と人間関係を築くストロングタイズより難しい条件とも言えます。日ごろの仕事や生活を通しての実績、信頼、信用が思いもよらない違うジャンルの人たちと自分を繋ぐことになるのです。決して簡単なことではありません。

信頼を得る良い仕事をしながら、その評判を通して人との出会いを広げていくことが、地道ではあるが、結局はウイークタイズを広げる近道になるということです。心がけたいものですね。

キャリアの新しい可能性を拓いてくれるウイーク・タイズという言葉、ぜひ心に留めておいて下さいね。


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