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ドナルド・スーパーのキャリア理論①「正しいキャリア自己概念で転職を成功に導く」

今回は、ドナルド・スーパーの理論をご紹介します。ドナルド・スーパー編、第一回は「キャリア自己概念」です。

ドナルド・スーパー

ホノルル生まれ。ニューヨークで育った後、ポーランド、スイスなどで青年期を過ごし、オックスフォード大で哲学、政治学などを学ぶ。卒業後アメリカにわたり、クリープランドYMCAで職業紹介を担当。その後、クリープランド州立大学講師、コロンビア大学教育学部教授などを歴任、職業適応に関する臨床心理学、産業心理学、教育心理学などの融合を目指した。

大学教授を引退後もイギリスのキャリア教育カウンセリング研究所名誉所長、アメリカ・カウンセリング学会会長、全米職業指導協会などを歴任、精力的に活動を行った。1994年没。

キャリア自己概念

ドナルド・スーパーのキャリア理論をいくつかのキーワードで現すとき、重要なのが、「キャリア自己概念」と「ライフ・スパンとライフ・スペースアプローチの概念です。たとえば、あなたが転職をしたくて、何かの新しい仕事に就きたいとき、どのようにしてその仕事を決定するでしょうか?

おそらく、今までの自分の人生や仕事生活などから、自分の適性、能力、興味などを分析しながら、「自分はこれが出来る」「自分はこれがしたい」などと、自分の中の意向や志向を整理していくのではないでしょうか。

「この職場では私の能力は生かされない、あちらのほうが私の能力も生かされ、充実を感じるはずだ」などというのもまさにそれに当てはまると思います。ドナルド・スーパーは、それをキャリアの自己概念と表現しました。

しかし、スーパーの指し示す自己概念は重要な点があり、それは「主観的自己」「客観的自己」の二種類が存在する、ということでした。それら二つは以下のようなものです。

主観的自己・・・・自分が自分自身の価値、興味、能力などに「主観的に形成してきた自己についての概念」
客観的自己・・・・他者からの客観的なフィード・バックに基づき自己によって形成された自己についての概念」

スーパーは、この二つの概念を統合して生れるキャリアに関する概念こそが、その人の「キャリア自己概念」であるとしたのです。

主観的自己にはもちろんその人の人生において重要な因子であることは間違いないのですが、主観的ゆえに、時に肯定的に振れすぎたり否定的に振れすぎたりと、バランスを崩してしまうことがあります。

私はもっと出来るはずだと現実を無視して夢を見てしまったり、逆に私にそんなことは出来ないと自己評価を下げて、否定的な姿勢になってチャレンジを放棄したりということが起こります。

これを、客観的にフォローするのが、客観的自己であり、他者からの冷静なフィードバックを上手く主観的自己に組み入れながら、自己の能力、価値を最大限に伸ばし活用することこそが、正しいキャリア自己概念の認識ということになります。

スーパーは、自己概念に関してユニークな表現も行っています。それは、「子供が大工さんになりたい」と言ったような場合です。子供は、大工の仕事について、細部まで細かく認識している訳ではありません。たとえば自分が関わった大工さんがかっこ良かったなどという理由で憧れていたりするのです。この場合、目標とする大人のロールモデルとして、大工が意識されていることになります。

これは私たち大人にも起こり得ることなのです。例えば、あの仕事に就きたい、あの仕事で活躍出来るはずだと思った場合、自分が何を指針としてそう認識しているか冷静に判断する必要があります。

環境やライフスタイルからある職業を意識している場合、例えば、その条件さえ見たされれば、他の仕事でもその希望を満たしてくれるものがあるかも知れません。そして当然ながら、自分の成長や周りの環境などによってキャリアの自己概念は変化していくのです。ですから、常に私たちは常に変化し続ける自己概念を正しく認識するよう努力をし、

そこに、例えば家族や友人、カウンセラーなどの第三者の客観的な見方を融合させ、正しいキャリア自己認識を発達させていく。これが、スーパーの提唱したキャリア自己概念の発達ということなのです。


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