本田圭佑の「若者の自殺」に対するツイートに見るゲートキーパーの役割|転職・キャリアのメンタルケア

2017年6月5日

こんにちは。アビリティスタッフの高山彩香です。

今回から新しく「転職・キャリアのメンタルケア」のコーナーがスタートします。

新しい時代の働き方の変化や職場や転職に伴うメンタルケアについて、ご紹介出来ればと思います。

さて、第一回はこちらの話題です。

 

本田圭佑の「若者の自殺」に対するツイートに見るゲートキーパーの役割|転職・キャリアのメンタルケア

 

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先日、政府が2017年度の自殺対策白書を発表しました。

日本における自殺者は減少傾向にあるものの、年間2万人を越えており、特に若年層では死因のトップ。

先進7カ国では日本が自殺死亡率が一位である。

さて、このニュースに敏感に反応し、突然のツイートを行ったのが、サッカーの本田圭佑選手です。

 

「他人のせいにするな!政治のせいにするな!!生きてることに感謝し、両親に感謝しないといけない。今やってることが嫌ならやめればいいから。成功に囚われるな!成長に囚われろ!!」

 

 

このツイートが現在大変な反響を呼び、議論を巻き起こしています。

インターネット上では様々なコメントがなされているようですが、やや否定的なコメントが多い印象で、意見は分かれているようです。

 

否定派

「危ないメッセージ。人によっては。強さの意味を履き違えてる人に見られる肯定の言葉。」

「ワタミ級の精神論だな。どれだけ否定されても前向きになれるほど皆強くない。」

 

肯定派

「批判している人は、『今やってることが嫌ならやめればいいから』この日本語が読めないようですね。本田の言いたいことは、逃げる勇気、再スタートの勇気。」

「万人に通用する意見ではないが、プロサッカーという格闘技の世界に身を置いている人はこういうタフな思考になるのだろう。私の考えとは違うけど、一つのご意見として私は尊重します。」

 

ツイートした本田選手の気持ちは伝わるが、文章の表現が誤解を招いているという意見も多いようです。

「批判する人は前半に、擁護する人は後半に重きをおいてるように感じる。文章だけで表現するって難しいね。」

「いってることは間違ってないと思います。言葉使いは乱暴ですけどね。みんな強くないんよ~本田さんもね。」

 

良くも悪くも常に注目をされる本田選手らしい出来事だと思うのですが、みなさんは、今回の本田選手のツイート、どのように感じられたでしょうか。

 

アビリティでは、メンタルケアに詳しいカウンセラーのO氏に話を聞いてみました。

 

「自殺に至るまでにはそれぞれの方に複雑な環境・背景と心理的な過程があります。良く突発的にと言われますが、もちろんそこに至るまでに苦しい過程があり、多くのサインを周囲に出し、それでも解決しない場合、最終的に追い詰められて最悪の事態に陥ることがほとんどです。多くの場合、最終的にはうつ病などを発症し、正常な判断が出来なくなります。

それを防ぐ役割とされているのが『ゲートキーパー』と言われる人々です。私のようなカウンセラーや、医療関係者、教師、福祉関係者、宗教関係者などそれを職業とされている方もいますが、必ずしも自殺のゲートキーパーとしてのスキルに長けているとは限らず、むしろ、家族や友人といったパーソナルな人間関係がゲートキーパーの役割を果たすことも多いのです。

ただ、カウンセリングの視点で見ると、自殺を考えるような最終段階にある方はあらゆるきっかけが最後のボタンを押すことも多く、ショック療法的な強い言葉での指導は非常に危険です。いわゆる、『甘えている、もっと頑張れ、もうとこうしろ、もっと前向きに考えろ』などの叱咤激励タイプのアドバイスです。例えその背後に愛情があったとしても突き放すような発言は正常な理解力を失った人には『この人には苦しみが理解されない』『見放された』と思われるリスクがあり、最後のトリガーを引いてしまう可能性があります。

今回の本田さんのツイートでは、冒頭の『他人のせいにするな』や『感謝しなければいけない』がおそらく彼の本意とは別に言葉が強制的すぎる印象があります。

まずは、『どんなに周りが敵ばかりでも、あなたがどんな人でも、私は無条件であなたを受け容れる、だからとにかく死なないで欲しい。生きて欲しい。そのための方法はゆっくり考えていこう』と受容の姿勢でサポートすることが原則ではないでしょうか。

ゲートキーパーは、そこまで慎重に発言をする必要があります。たとえ、私にそんな意図は無かった、と言っても、自殺されたあとでは遅いのです。多くの若者に影響力のある本田さんの発言は、思わぬ影響を及ぼすことがあるということを意識していただきたいです。」

 

 

本田選手が悩める若者たちへ真剣に心をこめてサポートのメッセージを出したことは間違いないでしょう。

今回はデリケートな内容だっただけに、ツイッターという短い言葉が一瞬にして広がるメディアの中で、有名人の発言が思わぬ影響を及ぼすことを露呈しました。

また、職場や家庭などで、うつ病などで追い詰められた人が間近くにいる人たちにとって、ゲートキーパーとしての役割をどう果たすか、再度考えるきっかけとなったとも言えます。

さすがの点取り屋の本田選手も、キーパーとしての働きは専門分野ではなかったということでしょうか。

とは言え、本田選手は先日ツイッターを始めたばかり。SNSはまだ慣れていないと本人も書いていましたから、思わぬ反響に驚いているかも知れませんね。これからの本田選手の発言にも注目して行きたいと思います。

 

文・アビリティスタッフ コンサルタント 高山彩香

 

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