本当の真の天職ってなんだろう?【羆撃ち】から学ぶ天職②

2017年7月27日

前回の記事(本当の真の天職ってなんだろう?【羆撃ち】から学ぶ天職)がそこそこ好評だったので羆撃ちの内容について天職や仕事のやり方などもう少し掘り下げてみたいと思います。

ちなみにこの本を書かれた日本で唯一の羆ハンターである久保さんは確かまだ60代で現役のハンターをされていると思います。

前回の記事だけを読むと久保さんは若い頃から今までずっと狩猟だけで生計を立ててきたように感じる方も多いと思います。自分自身を自然と同化するまで極めて羆を追い求める、それだけ聞くといわゆる職人的な、ある意味閉鎖的で周りとの協調性などを考えない人物像を想像されると思います。

私も読んでいる途中まではそうでした。とにかく羆や鹿などを1人で狩ることをとことん極めていく孤独な人、勝手にそう思っていました。

ところが、それは良い意味でもそうでない意味でも見事に裏切られます。

ポイントは4つです。

その1 相棒を見つける

その2 渡米する

その3 転職する

その4 家族を持つ

1年のほとんどを山の中にテントを張って過ごす生活をしている久保さんの大きな転機はこの4つではないかと思います。

これらは私たちの人生にも通ずるものがあり考え方として参考になることも多いと思いました。

その1 相棒を持つ

fuchi

相棒とは牝のアイヌ犬の「フチ」のことです。アイヌ語で火の神という意味の一語を取って命名されたと書かれていますが、このフチが猟犬という仕事がまさに天職と言える性格や技量を持っており久保さんにとって最高の相棒となります。

相棒を探すとき、久保さんはまずどういう犬が良いのか、猟をする際の場面場面を思い描きながら、犬の種類や性別、性格や大きさなど事細かに決めました。

フチとの出会いは知り合いの紹介だったそうです。そこでフチを観察してどのような性質なのか、挙動を示すのか、じっくりと見極めていきます。

「夕刻まで半日も眺めつづけ、心に一点の迷いもないか問うてみた。そして覚悟を決めた。あとは仔犬の持つ素質を伸ばせるかどうかであり、それは私自身の問題だと思った。」

この後、久保さんは仔犬を懐に入れて帰途につきます。

そして久保さんはフチを時には厳しく時にはやさしく指導して優秀な猟犬に育て上げることに成功します。その模様は本書に詳しく書かれており、久保さんの心情だけではなくフチの心情も理解できます。

良い飼い主に出会い、最高のパフォーマンスを出せることになった自分に大変喜んでいるフチ。

ある意味最高の上司と部下。目だけでお互いの気持ちのやりとりができ、お互いが引っ張り合うように向上していく。人間と犬という違いを超えて同じ目標に向かう同士として切磋琢磨する様は我々の仕事も同じだなあと感じました。

このあたりの文脈を読んで、私もこのような出会いの機会をもっともっと与えられるようになりたいと思いましたし、そのご縁で最高の上司と部下、あるいは仲間として向上できる関係を作っていくことができれば本望です。

この件についてはもう少し書きたいところですが、一旦筆を置いて次回は久保さんの渡米について書きますね。

ちなみにソフトバンクのCMに出ているお父さん犬もアイヌ犬だそうです。

(続く)